太陽からの光と熱。それらをどうコントロールするかが、快適な日々の鍵となります。
HEATBLOCK®は、アンベル株式会社が独自に開発した、日傘のための革新的なテキスタイルです。
紫外線対策はもちろんのこと、可視光線や近赤外線といった、これまで見過ごされがちだった太陽光の要素にも着目。
肌への影響を多角的に捉え、真の日焼け対策と涼しさを追求しました。
ここでは、HEATBLOCK®が持つ驚きの性能と、その秘密に迫ります。
HEATBLOCK®の最大の特徴は、その卓越した遮光性能です。
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遮光率100%・UVカット率100% (UPF50+): 紫外線(UV-A、UV-B)を100%カットし、紫外線保護指数は最高値のUPF50+を達成。シミやそばかす、そして光老化の原因となる紫外線を徹底的にブロックします。
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可視光線も100%カット: 眩しさの原因となる可視光線も100%カット。日差しの強い日でも、傘の下は濃い日陰となり、目がくらむような眩しさを大幅に軽減します。
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近赤外線を99.9%カット: 暑さの原因の一つであり、肌の深層部にまで到達してシワやたるみを引き起こす可能性がある近赤外線も99.9%カットします。
太陽光線の中で、肌に影響を与えるとされるもののうち、紫外線が占める割合はわずか約7%と言われています。残りの約93%は可視光線と近赤外線です。これまでの日傘は紫外線対策が主でしたが、近年の研究では可視光線や近赤外線もシミ、くすみ、肌老化の原因となることが指摘されています。
HEATBLOCK®生地は、これら3つの光線をまとめてブロックすることで、より包括的で「真の日焼け対策」を目指しています。
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紫外線(UVA・UVB):シワ・たるみの原因となる光老化、シミ・そばかすの原因。
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可視光線:メラニン生成を促進し、シミ・くすみの原因に。活性酸素を発生させ、肌老化を促進する可能性。
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近赤外線:肌の弾力を保つコラーゲン・エラスチンを分解し、たるみ・シワの原因となる可能性。
HEATBLOCK®は、太陽光全般から肌を守ることを目指した、理想的な日焼け対策生地です。
HEATBLOCK®生地は、その薄さと軽さからは想像できないほどの高い遮熱効果を発揮します。
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極薄・超軽量設計: 20デニールの極細糸を高密度に織り上げ、裏側に特殊な遮光PUコーティングを施すことで、生地の厚みはわずか0.06〜0.09mmを実現。これにより、傘自体の軽量化にも大きく貢献し、持ち運びの負担を軽減します。
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高い遮熱率で涼しさをキープ: 薄くて軽い生地でありながら、太陽光の熱を効果的に遮断し、傘の内側の温度上昇を大幅に抑制します。実際に傘製品そのものを用いた「傘の遮熱性評価試験」では、HEATBLOCK®生地を使用した傘(Sand
Whiteカラー)で、太陽光熱を88.4%カットする遮熱効果率が実証されています。これにより、炎天下でも木陰にいるような涼しさを提供します。
<遮熱性評価試験とは> 日傘が太陽の熱をどれほど遮ることができるのかを示す指標です。この数値が高いほど、日傘の下は涼しくなります。試験では、日傘を固定し、太陽光に似た光を30分間照射。日傘の下の温度を2分ごとに測定し、日傘がない場合と比較して温度差を計算し、遮熱効果率を算出します。
(※遮熱効果率はカラーによって結果が異なり、一般的に黒や濃い色の生地よりも、白や薄い色の生地の方が遮熱効果率が高い傾向があります。)
HEATBLOCK®生地は、機能性だけでなく、日用品としての使いやすさも追求しています。
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高密度織物による強度と耐水性: 20デニールの極細糸を1インチ四方あたり396本という高密度で織り込むことにより、薄く軽いながらも十分な強度を実現。さらに、裏面のPUコーティングとの相乗効果で、13,000mm以上という高い耐水度を誇り、一般的な雨傘の基準をはるかに超える性能で雨水の浸透を防ぎます。
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リップストップ構造: 生地は「リップストップ」と呼ばれる格子状の織り方で、万が一生地が裂けても、それ以上裂け目が広がりにくい構造になっています。これにより、耐久性が向上します。
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3層構造: 生地層、遮光層、PUコーティングの3層構造により、上記の多様な機能(遮光、遮熱、撥水、耐水、軽量、強度)をバランス良く実現しています。
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しなやかさと扱いやすさ: 高密度でありながら、生地はしなやかでコシがあり、折りたたみやすく、傘として加工した際の使い心地にも貢献します。
雨天時にも快適に使用できるよう、HEATBLOCK®生地には強力な撥水加工「Easy-Dry」が施されています。
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優れた初期撥水性と持続性:
生地密度、裏面のPUコーティング、そして高性能な撥水剤の組み合わせにより、繊維の奥深くまで撥水効果が浸透。第三者検査機関の試験では、洗濯前の撥水度が90点、20回の洗濯後でも85点という高い撥水性を維持することが証明されています。(一般的な品質基準では3回の洗濯後で撥水度80点以上で合格)
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水滴を弾き、乾燥しやすい: 雨に濡れた後も、傘を2〜3回軽く振るだけで水滴のほとんどを落とすことができ、速乾性にも優れています。
<豆知識>試験で洗濯する理由
傘生地の撥水性の耐久性を評価するため、人工的に生地を劣化させる目的で洗濯試験が行われます。洗濯機で繰り返し洗うことで、生地は水濡れや摩擦により通常使用よりも早く劣化が進行します。Easy-Dry加工はこの厳しい洗濯テストでも高い撥水性を維持することが確認されており、長く安心して使用できる証です。
HEATBLOCK®生地は、これらの多岐にわたる高性能を、薄く軽い一枚の布に凝縮しています。 日差しが気になる日も、突然の雨にも、HEATBLOCK®生地を採用した製品は、あなたに最高の快適さと安心を提供します。
【ご注意・補足事項】
HEATBLOCK®生地の性能を正しくご理解いただき、製品を快適にご利用いただくために、以下の点にご留意ください。
1. 性能表示について
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検査数値の基準: 当ページに記載されている遮光率、UVカット率、近赤外線カット率、遮熱効果率、撥水度、耐水度などの検査数値は、JIS規格(日本産業規格)などの定められた試験方法に基づき、専門の第三者検査機関または自社(アンベル株式会社)の品質管理基準に則って「生地(試料)」の一部を測定した結果です。
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製品全体の性能: これらの数値は、使用している生地そのものの性能を示すものであり、傘製品全体の性能を絶対的に保証するものではありません。製品の構造(縫い目、デザインなど)やご使用状況により、体感や効果が異なる場合がございます。
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「100%遮光」と「完全遮光」について:
HEATBLOCK®生地は、試験において遮光率100%を達成しておりますが、傘などの製品に加工した場合、生地の縫い目やミシン目、構造部分から微量の光が漏れる可能性がございます。そのため、弊社では「完全遮光」という表現ではなく「遮光率100%生地使用」と表記し、お客様に正確な情報をお伝えするよう努めております。
2. 製品ごとの特性・差異について
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遮熱効果: 遮熱効果率の試験結果は、特定の条件下(例:白色系の生地)で測定されたものです。生地の色や製品の構造により、実際の遮熱効果には差異が生じる場合がございます。一般的に、淡色の生地の方が濃色の生地に比べて遮熱効果が高い傾向にあります。
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撥水性・耐水性: 撥水性および耐水性は生地自体の性能であり、強い雨や長時間の雨の中でのご使用においては、縫い目などから水が浸入する可能性がございます。
3. 生地のお取り扱いについて
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生地のにおい: 生地の裏面に施されているポリウレタン(PU)コーティングにより、特有のにおいが感じられる場合がございます。これは素材の特性であり、製品の不良ではございません。においが気になる場合は、製品を広げた状態で、風通しの良い日陰で数時間干していただくことで軽減されます。また高温多湿な場所に長期間放置しないでください。
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コーティングの保護: 生地裏面のコーティングは、摩擦や鋭利なものとの接触、過度な圧迫により傷ついたり剥離したりする場合がございます。特に傘製品の場合、濡れたまま強く束ねたり、バッグの中で他の硬い物と長時間圧迫されたりすると、コーティングの劣化を早める原因となることがありますのでご注意ください。
4. その他
- 当ページに記載されている太陽光線(紫外線、可視光線、近赤外線)の肌への影響に関する記述は、一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な効果効能を保証するものではありません。日焼け対策や健康管理については、専門医にご相談ください。
- 記載内容は、品質向上や規格改定などに伴い、予告なく変更される場合がございます。